LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとったもので、セクシュアルマイノリティ(「性的少数者」ともいわれます)を表す総称として使用されている表現です。

日本におけるLGBT層の割合は7.6%(電通LGBT調査2015)に上るという調査結果があります。LGBT層に市場規模は5.94兆円になっており、商品・サービス展開を考える上での重要な課題になっています。
上記を踏まえ、LGBT社員に対し、不利益や差別的言動および取扱をしないような制度をつくり、意識改革や風土醸成のための啓蒙活動を行う取組みを行います。

メリット
「LGBTフレンドリー」を打ち出すことで、LGBT当事者である優秀な人材のみならず、当事者の周囲にいる人材を獲得することができます。また、LGBTを含め多様性を尊重する社内風土が醸成され、個々人の能力を最大限発揮できる環境が整備されることで生産性が向上することが期待されます。
先進的な取り組みを進める企業として、広く世間に対してメッセージを発信することができ、自社のブランド価値向上につながったり、LGBTへの人権侵害による訴訟等のリスクを回避できると同時に、自社の社員を人権侵害の被害から保護することができます。
さらに、LGBTへの理解を深めることで、同性パートナーの存在を念頭に置いた商品の開発等、ビジネスの拡大につながります。
デメリット
職場内でのアウティング(他人に口外すること)が重大な労務トラブル、法務トラブルに発展する可能性があります。また、その結果として自社のブランド価値を下げることにつながります。

企業におけるLGBT施策の現実

参考:LGBTに関する職場アンケート2016
  • 特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ
  • 共同研究:国際基督教大学ジェンダー研究センター

LGBT対策のファーストステップとして有効なセミナーのご紹介

LGBTの取組を開始するにあたり、まずは「知る」ということが重要となります。
ついては、弊所では、LGBTについての基礎理解を深め、なぜ問題なのか、対応しないことで想定されるリスクを認識し、これからの組織を作る上で、多様性を認めるということを理解するためのセミナーをご用意しています。講師はワークライフバランス研究所に所属する舘野聡子(特定社会保険労務士)が担当いたします。

セミナー講師

ワークライフバランス研究所 舘野 聡子 (特定社会保険労務士)

講師プロフィール

セミナー概要

時間 項目 内容 ねらい
20分 LGBTの基礎知識 ・LGBTの言葉の意味の考え方
・SOGIとは?
・世界のLGBTに関けるする法律と動向
・日本の法整備の状況
・持って生まれた性と性自認、性的指向の意味とトランスジェンダーについて理解を深める
・LGBTよりもSOGIという表現の方が好まれる理由を理解し、特別な存在ではないということ、性自認と性的指向を尊重する意味の理解
・日本での同性婚の運動と法的な規制の状況を知る。
30分 LGBTへのハラスメントと差別の原因 ・LGBTがさらされる偏見
・社会人として生きる上の困難
・LGBTへの差別的発言はセクハラ
・差別の原因は「アンコンシャスバイアス」
・LGBTが普段どんな偏見にされされているか、それが個々人の能力発揮を妨げることにつながっていることを知る
・セクシュアルハラスメントにも該当し、職場のセクハラ相談窓口でもきちんと対応する問題であり、放置はゆるされないこと
・差別の原因となっている無意識の偏見「アンコンシャスバイアス」について理解を深め、自分の中にも偏見があることに気づく
20分 企業が求められる施策と取り組み ・ダイバーシティ&インクルージョンとLGBT
・SDGsと企業の社会的責任
・誰もが働きやすい職場づくりのための必要なアクション
・各社での取り組み事例
・少子高齢化、労働力人口減少の時代の中で多様な人材を受け入れて活躍してもらうことが急務であること
・LGBTフレンドリーな職場環境や制度の導入のために何をすべきか、様々な取り組みについて導入事例を合わせて理解する
50分 事例検討
質疑応答
・職場での申し出にどう対応すればよいか事例を検討
・ハラスメント問題としての取り扱いと情報共有
・事例を通して教育研修や制度未整備が引き起こす問題に気づく
・相談対応と情報共有の仕方、アウティングを防止するために教育研修が必須であることを理解する

導入時の検討事項 Consideration

01

採用活動におけるLGBTへの配慮

  • ・新卒採用活動におけるエントリーシートから性別記入欄を廃止するか?
  • ・LGBTの学生を対象にした会社説明会の開催するか?
02

性別を問わないトイレや更衣室等の職場環境の整備

03

社員向け人事制度の改定を検討

社員の同性のパートナーに結婚休暇、忌引休暇、結婚祝い金、弔慰料、祝電、弔電の制度を適用するか?

04

LGBTに関する研修の実施

05

LGBTに関連する社外のイベントへの協力

06

LGBTに配慮した商品・サービスの開発

具体的なアクション Action

Action01
規程改定(性的指向・性自認等に基づく差別の禁止を明記)
Action02
社内セミナー開催等の啓蒙活動の実施
Action03
LGBTの社員に向けた社内相談窓口の設置