無期雇用転換について
改正労働契約法第18条により、有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換が定められました。これは平成25年4月1日以降、同一の使用者との間で有期雇用契約が1回以上更新され、かつ5年を超えて反復継続している労働者からの申込みがあれば有期雇用契約から無期雇用契約に転換できる定めのことです。(無期転換ルール)
【例外】有期労働契約期間が満了した日と次の有期労働契約の初日との間の期間が6ヶ月以上である時は、2つの契約期間は通算されません。
- メリット
- 会社の実務や内情に詳しい労働力を継続的に雇用できることによって、生産性が向上し、技術の伝承・ノウハウを構築することができます。
新たに募集~採用~教育を一からする必要がないので、教育や採用のコストがかからず、雇用の安定が図れます。
- デメリット
- 無期転換することで、65歳までの雇用義務が発生するということが、大きな課題となります。その上で、社員の業務や責任との差のつけ方に注意しないと社内から不満の声が上がる可能性があります。また、無期雇用になることで、人材の停滞や無期で働く従業員のモチベーション維持のための施策が必要となります。
無期転換に関するよくある質問 FAQ
- 無期転換する場合、「労働条件」を変更することは可能ですか?
-
無期雇用契約になると、正社員と同様に65歳の再雇用までの雇用契約が保証されることになります。また、これまで有期契約の時は、契約更新時に労働時間や業務、就業場所や賃金等の見直しをすることができましたが、無期雇用となると、そのタイミングがなくなることになります。
ついては、雇用期間が無期となることを踏まえ、労働条件の変更や見直しすることは考えられます。 無期転換時の契約書に「定期的に労働条件について変更を行う」と明記するほか、無期雇用社員用の就業規則も整備しましょう。
具体的には労働時間、賃金、時間外勤務、勤続年数(有給の際など)、定年、解雇、人事異動等の条文変更を見直すことになります。
- 定年後に再雇用した高齢者も、申込みがあった場合には無期転換になるのですか?
- 通常は、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合に無期転換申込権が発生しますが、
- 適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主の下で、
- 定年に達した後、引き続き雇用される
事前に、申請し認定をうけておく必要があります。
- 「クーリング期間」とは何ですか?
- 有期労働契約と有期労働契約の間に、無契約期間が一定以上ある場合に2つの契約期間を通算しないことです。空白期間は、直前の有期契約が1年以上の場合は「6ヶ月以上」、1年未満の場合は、「その有期労働契約の半分以上の期間」です
- 運用にあたって、どのような申請書を使ったら良いでしょうか。
- 各種申請書等のフォーマットは、無期雇用転換特設ページからダウンロード可能ですので、ご活用ください。
導入時の検討事項 Consideration
自社の雇用形態にはどのような種類があるのか、無期転換するにあたりどのような手続きを踏むのか等、一つひとつ制度を整える必要があります。
導入時のSTEP
- STEP01
- 自社内の有期雇用契約社員の実態の把握
- STEP02
- 無期転換のフロー構築(希望者全員無期雇用転換・無期転換の試験制度導入・雇用期間更新の上限を設ける(雇止め))
- STEP03
- 新しい雇用形態の構築は必要か
(準社員や地域限定社員等)
- STEP04
- 無期雇用転換後の労働条件の検討
(就業規則の作成)
- STEP05
- 労働契約書・申込制度の構築
具体的なアクション Action
- Action01
- 無期転換権が発生する社員の有無の確認
- Action02
- 無期雇用社員就業規則の整備&周知
- Action03
- 第二種計画認定の申請
- Action04
- 試験実施(試験導入の場合)
- Action05
- 無期転換申請書作成
- Action06
- 申込み受付