一般的に、多くの企業は週休2日制または完全週休2日制を設けていますが、週における休みを1日増やし、「週休3日」とする制度です。
大企業を中心に導入が増えている新しい休日制度であり、企業側の観点からは人材の確保、生産性の向上といった効果が期待できます。また、柔軟な働き方、多様な働き方を選択できることはワークライフバランスの実現に繋がるため、企業側だけでなく、労働者側からの注目も高まっています。

メリット
休日を増やすことにより育児や介護と仕事の両立を可能とし、育児や介護を理由とした離職を防止できます。また、柔軟な働き方を推進している企業であることを対外的にアピールすることで、結果として求職者の増加に繋がることが考えられます。
限られた時間内でパフォーマンスを発揮することが必要となるため、メリハリのついた時間管理の意識付けを行うことにより企業の生産性の向上に繋がることも想定されます。
デメリット
取引先が週休2日制の場合、取引先とのコミュニケーション不足によりビジネス上の機会損失を招くリスクが考えられます。社内においても週休3日制を導入していない部署があると情報共有の不足により、業務が停滞することも考えられます。
また、業種・業態によっては人員を確保するために増員が必要となり、人件費が増加する可能性があり、生産性の向上に繋がらない場合は休日が増えた分、一日の労働時間が長くなることも懸念点です。

週休3日制
1日10時間労働とした場合のイメージ

週休3日制度+1ヶ月単位の変形労働 週40時間を8時間×5日間ではなく、10時間×4日とする

目的に合わせた制度の決定イメージ

週休3日制度を導入するために

週休3日制度は、その目的によって対象者の設定や制度を構築しないと、長時間労働や休日出勤が増えるだけとなり、本末転倒の結果となってしまいます

目的 対象
残業縮減 全社員
育児・介護両立支援 育児・介護者
人材確保(採用PR) 希望者のみ
制度 検討ポイント
案1 副業・兼業の可否
案2 有給休暇の付与方法
案3 休日出勤の抑制
  • 週の所定労働時間を変えず、1日の労働時間を増やす。給与水準は変えない。
  • 週の所定労働時間を減らし、その分給与水準も減らす。
  • 週の所定労働時間を減らし、給与水準は変えない。

導入時の検討事項 Consideration

01

導入目的の確認

(ワークライフバランスの促進、育児・介護者への仕事との両立支援、残業の縮減等)
02

対象者の設定

(全社員、希望する社員等)
03

目的に合わせた制度の決定

  • (案①)週の所定労働時間はかえず、1日の労働時間を増やす。給与水準は変えない。
    例:週の労働時間=1日10時間×4日=40時間
  • (案②)週の所定労働時間を減らし、その分給与水準も減らす
    例:週の労働時間=1日8時間×4日=32時間  減った8時間分を減額する。
  • (案③)週の所定労働時間を減らし、給与水準はそのままとする。
    例:週の労働時間=1日8時間×4日=32時間  労働時間は減るが、給与水準は変えない。
04

兼業・副業の可否

(兼業・副業を考える労働者もいるため、会社として認めるか検討が必要です。)
05

有給休暇の算定

(週4勤務となり、かつ週の所定労働時間が30時間未満となると、年次有給休暇が、比例付与になります。)
06

休日出勤の抑制

(増えた休日を休日出勤すると制度の意味がなくなります。)
07

平均賃金の算定

(算定期間中の労働日数が減るため、日給制、時間給制によって計算する場合は最低保証額の算定結果に留意することが必要です。)

具体的なアクション Action

Action01
就業規則の改定
Action02
労使協定の締結(※変形労働時間制を導入する場合)
Action03
年休付与日数の変更(※勤怠・給与システム変更)
Action04
平均賃金計算の変更(※勤怠・給与システム変更)