本来は労働日単位での付与となる年次有給休暇について、労使協定を締結することで、5日/年の範囲内で時間単位での付与を認める制度。

メリット
有休を取得する場合、労働日単位では、業務上周囲へ与える負担が大きいことから、取得しずらいと思われがちですが、時間単位で取得できるようにすることで、有休取得率の向上を目指すことができます。
銀行への立ち寄りや病院への通院など、一日休むほどではない私用がある場合に使用することができ、有休を有効活用して仕事と生活の調和を図ることができます。
デメリット
有休の管理方法が複雑になります。
原則として時季変更権が認められにくい傾向にあります。
時間単位での取得が義務化されたような雰囲気ができてしまった場合、労働日単位での取得が減少し、本来の有休の趣旨である、まとまった日数の休暇を付与し労働者に休養を与えること、という目的がおろそかになる場合があります。

時間数の考え方

1日=所定労働時間 ※所定労働時間に端数がある場合は、時間単位に切り上げ

時間単位の有給(端数)繰り越し

当該年度に取得されなかった年次有給休暇の残日数・時間数は、次年度に繰り越されることとなりますが、当該次年度の時間単位年休の日数は、前年度からの繰越分も含めて5日の範囲内となります。

時間単位の有給(端数)繰り越しのイメージ

導入時の検討事項 Consideration

時間単位の年次有給休暇の導入には、労使協定の締結が必要となります。併せて、実際の運用にあたり、詳細ルールを定めておくことも必要です。

労使協定

01

時間単位年休の対象労働者の範囲

(従業員全員、パート等社員以外を除く)

02

時間単位年休の日数

(5日、4日、3日)

03

時間単位年休1日の時間数

(所定労働時間、短時間勤務の場合はその時間)

04

1時間以外の時間を単位とする場合の時間数

(2時間、3時間)

実運用ルール

01

端数の次年度への繰り越しの仕方

02

パート等有休比例付与者の取扱い

具体的なアクション Action

Action01
運用ルール詳細の決定
Action02
就業規則の改正(時間単位の年次有給休暇の条文の規定)
Action03
申請書等の書式準備
Action04
社内周知