不妊治療と仕事を両立できる環境作りにあたって
不妊治療と仕事との両立については、令和3年2月に次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針が改正され、一般事業主行動計画に盛り込むことが望ましい事項として追加され、令和3年4月より適用されています。
また、令和4年4月からは3種類の「くるみん」に追加して、「くるみんプラス」「トライくるみんプラス」「プラチナくるみんプラス」と称して、不妊治療と仕事との両立に取り組む優良な企業に対する新たな認定制度が創設されました。
このように、国の方針としては、不妊治療と仕事の両立を推し進めていますが、厚生労働省の調査によると、不妊治療をしたことがある(または予定している)労働者の中で、「仕事との両立ができなかった(または両立できない)」と回答した人の割合は約34.6%となっています。
(出典)厚生労働省 「不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック」より
不妊治療と仕事との両立を困難にしている要因としては、精神面での負担が大きいこと、通院回数が多いこと等が挙げられていますが、そもそも不妊や不妊治療についての認識があまりないために、企業内の支援制度の導入や利用が進まないことも考えられます。
そこで、厚生労働省より、職場内での不妊治療への理解を深めていただくための「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」、「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」が公表されました。
「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」には、不妊治療がどのようなステップで進むのかという解説の他、不妊治療に関する統計、不妊治療と仕事との両立支援導入に関する手順、企業の取組み事例等、詳細に記載されています。
また、「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」では、プライバシーの保護に十分に配慮する必要があることから、職場での配慮のポイントを管理職と職場内の同僚にわけて紹介しています。(例:相談対応、制度説明等)
マニュアルやハンドブックをご活用いただき、不妊治療と仕事との両立を図る休暇制度、両立支援制度等の環境整備や利用促進、不妊治療を受ける社員に対するハラスメントのない職場づくりのみならず、不妊治療を行う社員も含めた全ての社員が働きやすい職場風土づくりを進めていきましょう。
詳細について以下のリンクをご参照ください。
〇厚生労働省「不妊治療と仕事との両立について」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/30.html
※「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30k.pdf
※「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30l.pdf