「勤務時間インターバル制度とは、勤務終了後、一定時間以上の休息時間を設ける(退社から出社までの間に一定の時間をあける)ことで、働く人の生活時間や睡眠時間を直接的に確保し、過重労働による健康障害を防止する効果が高いと考えられている制度です。

メリット
働きすぎによる心身の健康障害の防止につながります。必要な睡眠時間、休息期間を義務付け、疲労の蓄積防止と「仕事以外の生活」時間を確保することができます。十分な休息時間をとり、時間管理を行うことによって、効率的に仕事ができるような環境を整えていくことができます。
デメリット
インターバル勤務によって、通常の勤務時間に出社しない社員の代替要員を会社は考える必要があり、1人1人の出勤時間も異なるため、勤怠管理には注意が必要です。また、インターバル勤務が続くと、出勤時間が更に後ろ倒しになるためシフトが組めなくなる可能性もでてきます。それに加えて、残業をした翌朝に顧客とのアポイント等、ずらせない予定が入っている場合は、インターバル時間に及ばないようにするために、サービス残業・持ち帰り残業が出る可能性があることも懸念点として挙げられます。

インターバル時間の概要図

インターバル時間の概要図|所定始業・終業時刻の繰り下げを行ったり「就労義務の免除」を行うことで適切な休息時間を取ることができることを表す1図
インターバル時間の概要図|所定始業・終業時刻の繰り下げを行ったり「就労義務の免除」を行うことで適切な休息時間を取ることができることを表す1図
インターバル時間の概要図|所定始業・終業時刻の繰り下げを行ったり「就労義務の免除」を行うことで適切な休息時間を取ることができることを表す1図

睡眠時間とパフォーマンスの関係

一定の休息時間を確保することで、生活時間や睡眠時間を確保することは、翌日の仕事のパフォーマンスにも関わります。

慢性的な睡眠不足とパフォーマンス低下の関係 資料:Hans PA Van Dongen, Greg Maislin, Janet M Mullington,David F Dinges[2003]『Sleep』

インターバル時間数の設定

勤務時間インターバル制度の設計において、重要なのはインターバルの時間数です。
9時間以上が助成金申請(勤務時間インターバル導入コース)の対象になります。

時間数 割合
5時間以下 7.7%
5時間超6時間以下 0.0%
6時間超7時間以下 2.6%
7時間超8時間以下 28.2%
8時間超9時間以下 2.6%
9時間超10時間以下 2.6%
10時間超11時間以下 7.7%
11時間超12時間以下 12.8%
12時間超 15.4%
無回答 20.5%

出所:2015年度厚生労働省委託「過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業」(2016年3月)

導入時の検討事項 Consideration

01

制度導入の目的を決める(労働者の生活時間や睡眠時間を確保すること等)

02

対象者の範囲を定める(全労働者?一部部署?)

03

インターバルの休息時間を決める(8時間?9時間?10時間?)

04

勤怠管理の仕方を定める(タイムカード?勤怠システム?)

05

賃金の取扱いを決める(始業時刻に合わせて終業時間をスライドするのか?)

06

コスト費用を確認する(新たなシステムの導入費、説明会開催費)

07

ルールを設定する(申請方法、制度活用の把握等)

具体的なアクション Action

Action01
就業規則の規程作成
Action02
労使協定の締結
Action03
勤怠システムの導入や変更
Action04
社員周知のための説明会の実施等
Action04
助成金の申請(9時間以上のインターバル時間を設けた場合)

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