フレックスタイム制に新たに設けられた特例

フレックスタイム制に新たに設けられた特例

いよいよ、4月から清算期間1か月超のフレックスタイム制が法律の改正により導入可能となります。
1月より、働き方改革関連法の実務対応セミナーを開催しておりますが、
導入を検討している企業はかなり少ないと感じております。

まずは、時間外労働の上限規制、有給時季指定の対応が優先ですので、
あまり余裕がないというのが現実ではないでしょうか。

今回の法改正では、1か月を超えないフレックスタイム制の取扱いについて、
運用上、問題となっていた点の解消が行われますので、以下にご紹介致します。

■参考例
 1)説明
   ・完全週休2日制の事業場でフレックスタイム制を導入
   ・月によっては、清算期間における総労働時間が、法定労働時間の総枠を超えてしまうケースが発生

 2)問題のケース(例)
   暦日数:31日
   所定労働日数:23日
   休日日数:8日
   清算期間における総労働時間数:8時間×23日=184時間・・・A
   法定労働時間の総枠:40時間÷7日×31日=177.1時間・・・B
    ※A>Bとなるため、完全週休2日制で残業のない働き方をしても、時間外労働が発生する。

 3)法改正
   週の所定労働日数が5日(完全週休2日)の労働者を対象年、「労使協定」を締結することによって、
   「清算期間内の所定労働日数×8時間」を労働時間の限度とすることが可能となります。
   これにより、前述のA>Bの場合であっても、Aの時間の範囲内であれば、
   時間外労働は発生しないこととなります。

■イメージ図
 

※関連資料
 ・フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き(P8)
   ~完全週休2日制 の事業場におけるフレックスタイム~
    https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf